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保険なるほどコラム 生命保険の起こり 第1回

2009年2月16号

 

人類の英知の結晶と言われる生命保険。
生命保険は一体いつ頃できたのでしょうか。

人間は昔から集落生活や大家族生活の中で、危険にあって不幸になった者をお互いに助け合う共同作業の工夫をしてきました。この相互扶助の考えはローマ時代や中世のギルド(商人や職人の組合)などに引き継がれていきました。その後産業革命によって、産業が発達し、社会的分業が行われるようになり、家族生活の単位が小さくなってくると、一家の主な収入を得ている者に万一のことが起こった場合に家族への影響がかつてないほど大きくなってきて、その頃より生命保険の必要性は一段と高まりました。

近代的な生命保険会社の誕生は、18世紀に入り「ハレー彗星」で有名な天文学者エドモンド・ハレーによって保険料の計算の基礎となる「生命表」が作成されたことが発端となりました。生命表とは年齢、性別ごとに生存している人と死亡した人の割合を統計的に分析した表です。この生命表ができたのは、18世紀初めに大数の法則※1の発見と死亡率が調べられたことによります。この生命表によって死亡する確率に応じて保険料に差をつけることができるようになり、ついに死亡率を用いて年齢別の保険料率を持つ近代的な生命保険会社が設立されました。1762年イギリスに設立されたエクイタブルソサエティー(生命保険会社)です。
したがって、現在の保険数理を用いた近代的な生命保険は247年の歴史があることになります。

この「相互扶助の理念によって助け合う近代的生命保険のしくみ」を、日本では、慶応3年(西暦1867年)に、福沢諭吉が著書の「西洋旅案内」にてヨーロッパの近代保険制度として紹介したことによって、明治時代に入り生命保険会社が設立されました。

明治13年共済五百名社(現在の安田生命)が共済事業で誕生し、明治14年に日本初の近代的生命保険会社として明治生命が誕生しました。明治21年には帝国生命(現在の朝日生命)、明治22年に日本生命が設立されています。
いずれにしても明治生命以降、日本でも128年の歴史が刻まれてきました。

生命表は、現在の日本では厚生労働省が国民全体を対象とした国勢調査による「国民生命表」、日本アクチュアリー会が生命保険に加入した人だけを対象とした「生命保険標準生命表」などがあります。生命保険会社はこの標準生命表を保険料の算出基礎に使用しています。最新は、「標準生命表2007」で新しい商品はこれを使用しています。ちなみに保険料は、この予定死亡率と預かった資金の運用率を見込んだ予定利率、そして会社を運営するための予定事業費率から算出されています。

ファイナンシャルプランナー
南 達也

※1 大数の原則:大数の法則とは、試行回数を重ねると確率は一定の値に近づくという法則のことです。
例えば、サイコロを振ったときに出る目は、回数が少ないときにはどれかの目に偏る可能性がありますが、数多く振れば、目が出る確率は6分の1に限りなく近づきます。また、コインの表裏も同様、形がいびつでない限り、それぞれがでる確率は2分の1となります。保険は契約者数が多数である場合には、この一定の法則が成り立つので、この大数の法則に基づいた死亡率から保険料の計算がなされるようになりました。


出典:生命保険協会発行「生命保険講座テキスト−生命保険総論・他」

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